金沢市民芸術村の事務所の黒い瓦屋根に、秋の日差しがまぶしいくらい反射して、青空が冴えわたる11月9日第52回鏡花文学賞授賞式が開催されました。
今年度の泉鏡花文学賞を受賞されたのは、原田マハさんでした。
ちょうど2012年4月私は異動で中学校司書として勤務することになりました。これまでとは違い、一般の小説など広く選書する立場となり、初めてであった本の1つが原田さんの作品「楽園のカンヴァス」でした。 話題作だったので、まずは読んでからと手にしたところ、私がこれまでに読んだことのないジャンル アートサスペンスで、手に汗握るかけ引きに思わず引き込まれ、「すごい!著者のことをもっと知りたい」と調べたことを思い出しました。いつしか学校の本棚には、原田さんの作品が何冊も並び、今回の受賞作「板上に咲く」も並べたところでした。 そして今年度の泉鏡花文学賞の受賞者が原田マハさんと知り、1ファンとして小躍りして喜びました。合唱で授賞式に参加できることが、いつにない特別なものとなりました。
当日いつになく緊張して段上に並んだのですが、残念ながら私は下手(しもて)だったので、直に対面した形で歌えませんでした。でも短い時間でしたが、同じ時間を共有でき、心を込めて歌うことができました。そしてマハさんの爽やかな笑顔とお元気そうな五木先生のお姿を胸に焼きつけて、会場を後にしました。
毎年この授賞式で歌い続けさせていただく意味と大切さを改めて考える良い機会を与えられたように思いました。
(田辺 節子)


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